子育てのゴールは、「自立」と言われますが、
では、「自立」の定義って、何でしょうか?
先日、動画でもお伝えしたのですが、
僕は、心の三脚をしっかりと立てることが、「自立」だと思っています。
「自立の三脚」
① I’m OK! : 「私は素晴らしい」と思える自己肯定感
② You’re OK! : 「周りの人もかけがえのない存在だ」と思える他者尊重の気持ち
③ Help me! : ピンチな時に「助けて」「手伝って」「困っています」が言える相互信頼
この3つの心を育てるように意識して、子どもと関わること、
そして、何よりも、大人が、背中で、この3つの姿勢を見せていくことが大事だと思っています。
僕自身はと言うと、この3つ、どれもうまく成り立っていませんでした。
中学校時代、特に親父が勉強に対して厳しくて、
100点を取ると褒められるけど、95点だとできなかった5点分、
「なんでできなかったのか?」を見つめさせられる状態。
「100点でなければ認められない」
「100点が取れない自分はダメな存在なんだ」
と思って生きていました。
その結果、中学校2年生くらいから、
「次の大会(陸上=部活)が終わったら自殺しよう」
とまで思うようになっていきました。
もう、完全に病んでました。
また、② You’re OK! に関しても、
「周りは蹴落としてナンボの存在」
「自分が勝たなくてはならない」と思っていましたから、
「かけがえのない存在だ」なんて思えませんでした。
(You’re OK! の気持ちで生きられるようになったのは、
コーアクティブ・コーチングを学び始めて、
「人はもともと、創造力と才知に溢れ、欠けるところのない存在である」
という考えの下、目の前の方の話を聴けるようになってからです。
こんな想いで話を聴いていくと、本当に、人は、命の輝きを見せてくれるんですよね。
詳しくはまたの機会に)
そして、③ Help me! なんて言えるわけありませんでした。
今でも覚えているのが、新卒で入った会社で課長から言われた言葉。
「西畑の、『大丈夫です』は、大丈夫じゃないからなぁ」
「助けて」「手伝って」が言えない、「困っています」が言えない。
何があっても、「大丈夫です」としか言わないので、
ものすごく心配されていたんだと思います。
でも、そんな心配を無視するかのように、すべて自分でやろうとする。
甘えることが苦手で、弱い自分を隠して、隠せているつもりになっていました。
結果、1年くらいで気持ち的にいっぱいいっぱいになってしまい、
2年で退社せざるを得なくなりました。
(今でも、当時の先輩方とは交流があり、本当に、温かな方々に恵まれたと思っています)
とにかく、ダメダメだった僕が、どうやって、「自立の三脚」を立て直していったのか。
そこには、「愛の三脚」「承認の三脚」「信頼の三脚」が深く関わってきます。
27歳の頃、当時、学校の先生を目指して勉強中、
うつ病で、土日は寝たきり状態になりました。
「この病気が、何かメッセージを伝えているとしたら何だろう?」と考え、
「『教師にはなるな!』ってことだ!」と思った僕は、
「田舎で、顔の見える関係で、自給自足に近い暮らしをしたい」と思って、
移住先を探し始めました。
当時は、今のように、「地域おこし協力隊」という仕組みはなく、
自治体が、若者を募集しているところなんてありませんでした。
「う~ん、特にどこか行きたい場所があるわけじゃないしなぁ」と困っていたところ、
たまたま見つけたのが、「緑のふるさと協力隊」。
1年間、5万円だけ頂いて、物々交換の仕組みで生きるというのもステキでしたし、
活動後の定住率が4割、というのも魅力に感じました。
「こういう仕組みで、1年間のボランティアに行って、その後、その地域か、
その近隣の地域に、ご縁で住むのもアリだよなぁ」
と思い、応募を決意しました。
そして、2009年4月、派遣された新潟・粟島で、
おばあちゃんたちからの、丸ごとの「存在承認」を受けて、
人生が変わりました。
「自分は自分であっていいんだ」「自分は生きていていいんだ」
と思えるようになったのです。
また、新潟・粟島に渡る直前に、ちょくちょく顔を出していたのが、
東京都江戸川区にある、「読書のすすめ」という本屋さん。
この店長、清水克衛さんに、紹介して頂いたのが、
「観音様は、悪人をも救うんだ。
どんな人に対しても、いいところを見るようにしろ!」
とアドバイスを頂いていたので、島の方、どんな方にも、
「この方も素晴らしい存在だ」と思って関わっていきました。
その結果、だんだんと② You’re OK! の心持ちも強くなっていったように思います。
そして、だんだんと島の暮らしにも慣れたある日のこと。
ある本との出合いが、僕に、
「もっともっと『助けて』『手伝って』って言っていいんだ!」
と思わせてくれました。
それは、『バリの賢者からの教え』という本でした。
この本の中に、「Noを5つ集めてきなさい」という課題があります。
つまり、「頼み事をして、断られてきなさい」ということです。
バリの賢者に、この課題を出された主人公は、実際に、
「Noを集めよう」と思って、いろいろと頼み事をするのですが、
全然Noが集まりませんでした。
この話を読んで、「面白そう!」と思った僕は、
断られてもいいけど、OKだったら嬉しい頼み事を考えて、
民宿の方や、漁師さんにお願いに行きました。
すると・・・。
ある方は、
「まーたぁ、西畑さん、面倒くさいこと、頼みに来て、しょうがねーなー」
とOKが返ってきたり、
ある方は、
「おー! いいぞ!」
とあっさりOKが返ってきたり。
「『今まで、全部自分でやらなきゃ』と思っていた自分って一体何だったんだろう?」と
反省した出来事でした。
こうして、少しずつ、自立の三脚を立て直すことができたからこそ、
今、軽やかに生きられるようになっていると思っています。
ぜひ、みなさんも、
「心の三脚」=「自立の三脚」「愛の三脚」「承認の三脚」「信頼の三脚」を
しっかりと立てることを意識して、
今ある命に感謝して、目の前の方とのご縁を大切に、
ますます豊かな日々を、お過ごしくださいね!
みなさまのますます豊かな日々を、心よりお祈りしています。
お読み頂き、ありがとうございます!