子育てのゴールは「自立」
ということで、
「心の三脚を立てよう」
という記事を前回、書かせていただきました。
「どうしたら、子どもの『心の三脚』が立つの?」
と疑問に思われた方もいるかもしれません。
アドラー心理学の「勇気づけ」をベースに、
簡単に解説をしたいと思います。
アドラー心理学では、
「やる気がない」「元気がない」「自主的に動かない」「行動できない」
そんな状態のことを、
「勇気がくじかれた状態にある」
と見ます。
つまり、「勇気」というエネルギーが枯渇しているために、行動できないと考えるのです。
ですから、
「勇気」というエネルギーを注ぎ込むことによって、
自主的、主体的に、元気に、生き生きと、行動するようになる、
と考えます。
「勇気」とは、「困難を克服する活力」のことで、
「勇気づけ」とは、「困難を克服する活力を与えること」です。
そんな魔法みたいな方法があるなら、ぜひとも試したい!
そう思われた方が多いんじゃないかと思います。
実は、この「勇気づけ」、非常にシンプルで、簡単ですが、非常にパワフルです。
では、その「勇気づけ」の方法とは何か!?
あちゃー!
クイズみたいになってしまいました!(^_^;)
気を取り直して、もう1回!
気になる「勇気づけ」とは、こちら!
【勇気づけ】
①感謝を伝える
②よいところを伝える
③失敗を許容する
④聴き役に徹する
⑤変化・成長を伝える
常日頃、「感謝」を伝え、「よいところ」を伝え、「失敗」を許容し、
特に失敗した時には、「聴き役」に徹するからこそ、
「変化・成長」が見えてきます。
それを見止めたら、すかさず伝えるからこそ、
「あ! 自分も変化・成長しているんだ!」
と気づけて、ますます成長していくようになっていきます。
ところが、多くの場合、右側にある、「勇気くじき」がなされています。
【勇気くじき】
①ダメ出しをする
②高過ぎるゴールを設定する
③減点主義で評価する
④他人と比較する
⑤失敗を批判する
⑥一方的な決めつけをする
特に、学校現場では、
「○年生なんだから、これくらいできて当たり前」と決めつけられてしまったり、
他人と比較、100点満点のテストで(減点主義)評価、その結果のダメ出し、などなど
「勇気くじき」だらけの現実があります。
だからこそ、せめて、家庭では、親が「勇気くじき」ではなく、
「勇気づけ」の関わりを意識して、子どもと関わること、
子どものあるがままを認め、子どもの存在に感謝して、
子どものいいところを認め、誰と比較するでもなく、丸ごと受け入れる、
そんな関わりをして頂けたらと願っています。
そうは言っても!
それが、簡単じゃない!
それができたら苦労はしない!
それが子育て、ですよね。
だからこそ、この「勇気づけ」には、ステップがある、と言われています。
「勇気づけ」のステップ
①まずは、「勇気くじき」をやめる(自分に対して・子ども(他人)に対して)
②自分を「勇気づけ」る
③子どもを(他人を)「勇気づけ」る
アドラー博士は、
「人は、自分を認められる程度にしか、他人を認めることはできない」
「人は、自分を愛せる程度にしか、他人を愛することはできない」
という言葉を残したと言われています。
まずは、「勇気くじき」をやめることで、ありのままの自分を受け入れ、
ダメな自分も好きになる勇気を持つ中で、
子どもの多様な側面も、ありのままに認める心の余裕が生まれてくる、
ということかなと思っています。
ということで、最後に。
今日から「勇気づけ」て生きる人になるためのステップ
①自分の「いいところ」を書き出す
②自分への「感謝」を書き出す
③自分への「褒め言葉」を書き出す
④自分の「ダメなところ」を書き出す。
「そんな自分が素晴らしい」「そんな自分でOK」と声に出して言う
⑤「今日、自分が頑張ったこと」を書き出し、自分を労う言葉をかける
⑥イメージの中で、子どもの頃の自分を思い浮かべ、抱きしめてあげる。
「大丈夫だよ」「がんばってきたね」「あなたはそのままでいいんだよ」と伝えてあげる。
まだまだ、他にもありますが、続きはまた今度!
東京大学名誉教授の汐見稔幸先生は、
「現代ほど、お母さんが(孤立の孤育てで)頑張っている時代はない」
ということを言われていました。
そんな大変な現代社会でがんばって子育てしている方はぜひ、
自分を労(ねぎら)って、感謝して、いたわって、癒して、満たして、
愛に溢れた自分になった上で、
ますます豊かな子育て期間をお過ごしいただけたら嬉しいです。
今しかない、かけがえのない「今」だからこそ。
「今ここ」に、心を込めて。
お読み頂き、ありがとうございます。